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泌尿器科

泌尿器科は、尿を作る腎臓から尿を溜める膀胱、尿道の診察、治療を行う診療科です。
排尿が困難になると、さまざまな病気の原因になり、生活に支障をきたすといった影響があります。これらの症状を改善するには、泌尿器の検査や診断が可能な医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
排尿や泌尿器についてのお困りごとを気軽に相談できるクリニックをめざしています。

泌尿器科の対象となるお悩み

これらのお悩みがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

  • トイレが近い(頻尿)
  • 尿の勢いが無い、尿が出にくい
  • 尿が我慢できない
  • 尿に血がまじる

泌尿器科の主な疾患と治療内容

尿管結石

腎臓、尿管、膀胱など尿の通り道に結石ができてしまった状態を尿路結石といいます。結石が腎臓にあるうちは症状が出にくいものの、結石が尿管に移動してしまうと尿が出にくくなり、疝痛(せんつう)発作といわれる激しい痛みや血尿などの症状を引き起こします。
尿管結石が尿の通り道を完全に塞いでしまうと腎臓が腫れて激しい痛みを伴い、緊急の処置が必要となる場合もあります。

主な症状

  • 背中が痛い
  • 下腹部に違和感がある
  • 尿に血が混じる
  • 発熱がある
  • 体がだるい

治療方法

尿管結石の症状は強い痛みを伴うことが多く、痛みがひどい場合には痛み止めの座薬や注射を使い、痛みを抑える治療を優先して行います。
結石が5mm程度までの比較的小さなものの場合、尿管を広げる薬を使いながら水分摂取などによって排石を促していきます。
尿路が詰まってしまい、腎臓の機能に障害が起きている場合などは、尿管へのチューブ挿入やカテーテルを腎臓に留置するなどの治療が必要となります。

腎がん

腎がんには、特徴的な症状はありません。そのため、小さいうちに発見される腎がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。

腎がんが大きくなると、血尿が出たり、背中・腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、おなかの痛みなどが生じたりすることもあります。気になる症状がある場合には、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。

主な症状

  • 血尿が出る
  • 背中・腰が痛む
  •  腹部にしこりがある
  •  足にむくみがある
  •  吐き気・便秘がある

治療方法

腹部超音波検査、CTスキャン、MRIなどの検査を行ってがんの進行(ステージ)を確認したのち、治療方針を決定します。治療は、がんを切除する外科的手術が基本となります。外科的手術には、がんがある腎臓を取り除く「根治的腎摘除術」と、がんがある部分のみを取り除く「腎部分切除術(腎機能温存手術)」があります。

外科的手術による治療ができない場合や、外科的手術とあわせて薬物療法や放射線治療を行うこともあります。

腎盂・尿管がん

腎臓は腎実質という尿をつくる部分と、尿が集まる腎盂(じんう)という組織からできています。尿管は腎臓と膀胱をつなぐ管で、左右に1本ずつあります。腎実質でつくられた尿は腎盂に集まり、排泄のため尿管を通って膀胱へと送られます。腎盂と尿管は上部尿路と呼ばれ、ここにできるがんは「腎盂・尿管がん」と呼ばれています。

腎盂・尿管がんの症状は血尿が出ることが多いです。尿管が血液でつまった場合などには、腰や背中の痛みが起こることもあります。これらの痛みは尿管結石と似ており、強い痛みが起こったり消えたりします。排尿痛や頻尿が起こることもあります。

主な症状

  • 血尿が出る
  • 背中・腰が痛む
  • 排尿痛がある
  • 頻尿になる

治療方法

腎盂・尿管がんの疑いがある場合には、腹部超音波(エコー)検査、膀胱鏡(内視鏡)検査、尿細胞診検査、逆行性腎盂造影などの検査を行い、がんの存在と進行の程度を診断します。

転移のない腎盂・尿管がんの治療は外科療法が主体となり、がんのある片側の腎臓・尿管・膀胱壁の一部切除を行う腎尿管全摘除術および尿管部分切除術を行うことが多いです。片方の腎臓を摘出しても、もう一方の腎臓が機能すれば生活上の制限はあまりなく、人工透析が必要になることはまれです。

初期や悪性度の低いがんと診断された場合は、内視鏡による切除のみを行うこともあります。

膀胱がん

膀胱がんの主な症状には、血尿や頻尿、排尿時の痛み、尿が残る感じ、切迫した尿意などがあります。がんが進行すると、尿が出にくくなったり、わき腹や腰、背中が痛んだり、足がむくんだりすることもあります。

膀胱がんに特徴的なのは、痛みなどのほかの症状を伴わない血尿です。ほかに症状がなく、血尿が出ない場合もあるので、気が付かず進行してしまうこともあります。気になる症状がある場合には、早めの受診をおすすめいたします。

主な症状

  • 血尿が出る
  • 排尿痛がある
  • 残尿感がある
  • 頻尿になる
  • 尿が出にくくなる
  • 足のむくみがある

治療方法

膀胱がんの治療では、まず始めに診断と治療を兼ねてTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行い、その後の治療法を検討していきます。治療法には、このほかに、薬物を膀胱内に注入する膀胱内注入療法や、膀胱全摘除術、薬物療法などがあります。転移がある、または進行していて切除が難しいがんの場合には、細胞障害性抗がん薬や放射線治療などを併用して治療を行います。

男性更年期障害(LOH症候群)

男性更年期障害とは、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされる症状のことでLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています。

40代後半から見られ、最も症状が出やすいのは50~60代です。70~80代で症状を訴える方もいらっしゃいます。
テストステロンを減少させる要因はいくつかあり、代表的なものがストレスといわれています。テストステロンは大脳の視床下部からの指令によって主に精巣でつくられますが、心理的ストレスを長く受け続けて交感神経優位の状態が続くと、大脳から「テストステロンをつくるな」という指令が出され、男性更年期障害の発症につながります。

主な症状

  • 勃起不全
  • のばせ・多汗がある
  • 全身倦怠感、筋肉や関節の痛みがある
  • 頭痛・めまい・耳嶋りになる
  • 精神の不調(不眠、無気力、イライラ)を感じる
  • 頻尿になった

治療方法

男性更年期障害の診断・検査では、問診票や男性更年期障害の診断に世界的に広く用いられている「AMSスコア」と呼ばれる質問票などに記入していただき、採血してテストステロン値を調べます。それらの検査結果や問診の結果を考慮し、男性更年期障害の有無を診断します。

漢方薬、抗うつ薬などが処方されることもあります。著しく男性ホルモンの値が低く、症状が強いときには、テストステロン補充療法を行います。保険治療としてはテストステロンの筋肉注射を2から4週間おきに症状が改善するまで行います。