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子宮頸がんワクチンの接種について

治療により排尿障害を起こすこともある子宮頸がん
HPVワクチンの接種による予防をおすすめします

子宮頸がん予防イメージ

子宮頸がんは、子宮の入り口にできる「がん」のことです。日本では毎年10,000人以上の女性が子宮頸がんと診断され、年間約2,900人の命が子宮頸がんで奪われています。
※国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
(全国がん登録/厚生労働省人口動態統計)全国がん罹患データ(2016年~2018年)/全国がん死亡データ(1958年~2019年)

また、子宮頸がんの治療法「広汎子宮全摘術」は、がんの根治術として確立している術式ですが、手術後に「排尿障害」が起こりやすいといわれ、術後の生活にも影響します。

当院では、子宮頸がんの予防に効果があるHPVワクチンの接種を行っています。

子宮頸がんの治療「広汎子宮全摘術」により排尿障害が起きる理由は?

子宮頸がんの1b期から2期までを対象に行われる広汎子宮全摘術の特徴は、子宮だけを切除する単純子宮全摘術よりかなり広い範囲で子宮の周りの組織を切除する点にあります。

子宮の前には膀胱、後ろには直腸があります。子宮は、これらの前後の臓器および左右の骨盤と、靭帯という網のような組織でつながり、支えられています。広汎子宮全摘術ではがんが浸潤しやすい靭帯を根元から切断して根治度を高めることが求められますが、そのときに排尿に関係する自律神経や体性神経が切断されたり傷ついたりします。これが、がんの手術特有の排尿障害の最大の原因です。

 

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、おもにHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因です。
海外の報告では、異性との性経験のある女性の84.6%が一生に一度はHPVに感染すると推計されています※1
多くの女性が一生に一度は感染する可能性のある、ごくありふれたウイルスです。

HPVに感染しても、90%以上の場合、2年以内にウイルスは自然に排出されると言われています。
ウイルスが排出されずに数年から数十年にわたって感染したままになると、一部の人でがんになることがあります※2

※1  Chesson HW, et al. Sex Transm Dis. 2014; 41(11) :660-4.

※2 厚生労働省HP HPVワクチンに関するQ&A

子宮頸がんを予防するには?

子宮頸がんを予防するには、「HPVワクチンの接種」と「子宮頸がん検診」の受診が有効です。

HPVワクチンの接種は、子宮頸がんの原因となるHPVへの感染を防ぐ予防接種です。平成9年度~平成17年度生まれの女性の方で、過去にHPVワクチン接種を受けていない方は、「キャッチアップ接種」の制度を利用して、公費助成でHPVワクチンを接種できます。また、「キャッチアップ接種」の対象外の方も、公費助成の対象ではありませんが、任意でHPVワクチンを接種することができます。

さらに、HPVワクチンにはたくさんの種類があり、HPVワクチンの接種によって感染が100%予防できるわけではありません。
そのため、過去にHPVワクチンを接種していても子宮頸がん検診は必要です。2年に1回程度、子宮頸がん検診の受診が推奨されています。

HPVワクチンの接種や子宮頸がん検診をご希望の方は、当院までお気軽にご相談ください。