女性泌尿器科は、女性特有の泌尿器についてのお困りごとの治療を行う診療科です。
過活動膀胱や膀胱炎など幅広い年代の方に起こる疾患から、腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱など中高年以降の女性特有の疾患の診断、治療を行います。
女性泌尿器科の対象となるお悩み
これらのお悩みがありましたら、 お気軽に当院までご相談ください。
- 急に我慢できないような尿意が起きる
- トイレが近い(頻尿)
- 動いたり、咳をしたりすると尿が漏れる
- 排尿時に痛みがある
- 運動したり、階段の昇り降りをすると尿が漏れる
- 膣に違和感がある
女性泌尿器科の主な疾患と治療内容
腹圧性尿失禁
女性は、お腹に強い力(腹圧)がかかったときに、「骨盤底筋(こつばんていきん)」という筋肉によって膀胱と尿道を支えることで尿道が締まり、尿が漏れるのを防いでいます。
「腹圧性尿失禁」は、この骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって尿道を締める力が弱くなり、尿漏れを起こす疾患です。
主な症状
- 咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる
- 走ったり、運動したりしたときに尿が漏れる
- 重いものを持ち上げたときに尿が漏れる
治療内容
腹圧性尿失禁は、緩んだ骨盤底筋を鍛えて、尿道を締める力を回復することで症状を改善することができます。
当院では、「エムセラ」を用いて骨盤底筋を鍛える治療や投薬治療などで症状を和らげるサポートをしていきます。
骨盤臓器脱
膀胱や子宮、小腸など骨盤内の臓器は、骨盤底筋や靭帯などで支えられています。これらが加齢や女性ホルモンの減少により弱くなったり、出産で傷ついたりすると骨盤の下部、膣に向かって下がり、臓器脱が起こります。
主な症状
- 膣から丸いものが出てくる
- 陰部にピンポン玉のようなものが触れる
- 下腹部が引っ張られるような感覚がある
- 尿が出にくい感じがする
治療方法
骨盤臓器脱は、骨盤底筋などの骨盤まわりの筋肉の「支える力」を回復させることで症状の改善が見込めます。当院では「エムセラ」などの機器を使用したり、骨盤底筋体操などの体操や日常生活のなかでできるリハビリによって骨盤底筋を鍛える治療や生活指導を行い、症状の改善をサポートいたします。
急性膀胱炎
膀胱炎は、大腸菌などの腸内細菌が尿道から膀胱に入り込むことによって起こります。女性は男性に比べて尿道が短いため、膀胱に最近が入りやすく、膀胱炎を発症しやすい傾向にあります。
急性膀胱炎は、抵抗力が落ちているときや、排尿を我慢したときに発症しやすく、繰り返し発症する方も多い疾患です。
主な症状
- 頻尿
- 排尿時に残尿感がある
- 排尿後に、下腹部に痛みを感じる
- 尿が白く濁って見える
治療方法
急性膀胱炎の場合は、数日の抗生物質の内服で、ほとんどの方は症状が改善します。自覚症状がなくなり、尿検査で菌の消失が確認できれば内服薬を中止できます。
抗生物質による治療のほかに、水分をいつもより多く摂取して細菌を尿で押し流すようにすることも重要です。
慢性膀胱炎
慢性膀胱炎は、閉経後の中高年女性に多く見られる疾患です。症状としては、下腹部の不快感や頻尿、残尿感、排尿時の痛みなどが続きます。
細菌感染が原因となって発症する場合もありますが、ストレスや女性ホルモンの低下が原因となることもあります。
主な症状
- 頻尿
- 排尿時に残尿感がある
- 排尿後に、下腹部に痛みを感じる
- 尿が白く濁って見える
治療方法
膀胱結石・便秘などによって、慢性膀胱炎となっている場合は、原因となる疾患の治療を優先します。
尿検査で細菌が検出される場合は、急性膀胱炎と同様に抗生剤の投与による治療を行います。抗生剤による治療で症状が改善しない場合は、漢方薬やホルモン補充療法などの併用により症状の改善をめざします。
間質性膀胱炎
間質性膀胱炎は、膀胱に原因不明の炎症が生じることで、尿がたまってくると下腹部に痛みを感じたり、頻尿になったりする疾患です。膀胱粘膜の細胞や免疫の異常が原因と言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
主な症状
- 頻尿が続く
- 強い尿意を感じる
- 尿を我慢したときに下腹部が痛む
治療方法
間質性膀胱炎は、薬物療法や行動療法などいくつかの方法を組み合わせ、症状の緩和や軽減をはかっていきます。
膀胱炎の患者様へ治験にご参会頂ける方を募集しております